遺産の揉め事は、不公平感と欺瞞

終活の知恵
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〜はじめに〜

「相続で揉めるのはお金持ちだけで、私には関係ない」と思っていませんか? 遺産分割は、遺産総額1000万円〜5000万円のケースが全体の40%以上。次いで遺産総額1000万円以下のケースが全体の約30%を占めています。いずれの場合でも遺産相続でもめるケースは決して珍しくはありません。

また、遺産分割で揉める根底には「遺産」そのものではなく、不公平さや欺瞞を感じる「人間の感情」があることも忘れてはいけないでしょう。「同居して面倒を見たり、介護したのに、何もしてない人達と法律的に等分することが納得できない」といったケースや、「同居していた相続人が財産を隠したのではないかと疑い、残りの相続人が納得できない」といったケースなど、その例を挙げればきりがありません。

遺産相続のごまかしはどこにでもあるのかも

ある遺産相続の話です。3人の娘を持つAさん(80歳)。ご主人はすでに他界されており、3人の娘はすでに他家へ嫁いでいたため公営住宅に一人で住んでいました。裕福に見えるような暮らしぶりではありませんでしたが、長年コツコツと預金をし、有料老人ホームへの入居を考えていました。

ところがある日、Aさんは脳梗塞で倒れてしまったのです。幸い命に別状はありませんでしたが入院生活を余儀なくされました。Aさんの看護は病院に任せきりでしたが、入院した病院の近くに住んでいた次女は、長女、三女と比べてよく見舞いに行っていたそうです。Aさんの症状は一進一退でしたが、倒れてから3ヶ月後に亡くなられました。

実は、Aさんは有料老人ホームに入居するための費用として3000万円近くの貯金があり、三つの銀行に預けていました。退院後に入居するつもりだったAさんは、その話をよく見舞いに来ていた次女に話しところ、次女は、入居手続きを進めるからと言ってやや強引に通帳を手にしたそうです。そのことを長女、三女は知りません。Aさんが亡くなってから、次女が長女、三女に伝えたのは、Aさん名義の950万円が入った通帳ひとつ分でした。

遺産のことを深く考えていなかった長女、三女は、それ以外の遺産があるとは全く考えることがなかったそうです。でも、ほどなく次女がAさんの預金を隠していたことが露見します。長女の夫が、預金残高が1000万円に近いことから「別に預金があったのではないか?」と何気なく言ったのです。

ピンと来た長女は、その後、次女に詰め寄り、別の通帳があったことを知ります。しかし、長女はそのことを三女には伝えませんでした。三女だけがAさんの遺産の総額を知らなかったのですが、後に知ることとなり、大もめにもめ、以来、三姉妹はそれぞれ絶縁関係になってしまったそうです。

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