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厚生年金保険料、いくら支払う?

厚生年金保険料はいくら支払うのか ファイナンス
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毎月の給与明細を眺めて、「社会保険料の控除額が意外と大きいな」「自分の給与から、一体いくらの厚生年金保険料が引かれているのだろう」と、疑問に思うことはありませんか。

特に50代後半は、役職定年による給与の変動や、定年後の再雇用といった働き方の転機が訪れる大切な時期。厚生年金保険料の計算の仕組みを正しく理解していないと、思いがけない手取りの減少に驚いたり、将来もらえる年金額で損をしたりするかもしれません。

今回は、暮らしに直結する厚生年金保険料の基本から、知っておくと得をする「標準報酬月額」や「総報酬月額相当額」の仕組みまで、お伝えしていきます。

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厚生年金保険料の計算方法と仕組み

毎月の給与からどれくらいの厚生年金保険料が差し引かれているのか、基本的なルールから知っていきましょう。
私たちが納めている保険料は、個人の感覚で増減するものではなく、国によって定められた一律の「保険料率」を基準に計算される仕組みです。厚生年金保険料率は毎年少しずつ引き上げられていましたが、2017年9月に一律の上限に達して以降変動していません。2026年現在も、全体の保険料率は「18.3%」で完全に固定されています。どれだけ少子高齢化が進んでも、特段の法改正がない限りはこの数値のまま据え置かれると思われます。

項目現在の基準値50代が知っておくべき実態
全体の保険料率18.3%(一律固定)給与やボーナスの計算ベースに対して、一律で課される割合です。
個人の負担割合9.15%(労使折半)会社が半分を支払ってくれるため、私たちの実際の控除額は半分で済みます。
企業の負担割合9.15%(労使折半)従業員の将来の生活を守るため、企業も同額のコストを毎月負担しています。

ぜひ覚えていただきたいのが、「労使折半」という仕組み。
全体の料率は18.3%ですが、私たち個人が給与から天引き(控除)されるのは、その半分にあたる「9.15%」です。残りの半分は、勤務先が全額を肩代わりして国に納付してくれています。つまり、自分で支払っている保険料の2倍の価値が、将来の老後資金として着実に積み上がっている計算になります。
会社員という立場で社会保険に加入し続けること自体が、効率の良い資産形成になっていると言えます。

給与明細の「控除額」を確認する重要性

毎月、給与明細の社会保険料欄をどのくらいチェックされているでしょうか。50代になったら、「手取りの総額」だけを見るのではなく、厚生年金保険料として具体的にいくら控除されているか、その金額を数字で把握するようにしましょう。
なぜなら、その控除額の積み重ねこそ、将来受け取れる老齢厚生年金の受給額に直結していくからです。若い頃の記録は変えられませんが、50代からの働き方次第で、これからの積立額を最適にコントロールすることが可能です。

ボーナスから引かれる保険料

毎月の給与だけでなく、年に数回支給されるボーナスからも、厚生年金保険料は差し引かれます。賞与から引かれる額を計算する際は、税引き前の総額から1,000円未満の端数をスパッと切り捨てた「標準賞与額」という数値がベースとなる決まりです。
この標準賞与額に対して、毎月の給与と同じ個人負担分の「9.15%」を掛けることで、ボーナス時の控除額が算出されます。ただし、1回あたりのボーナスで保険料の対象となる金額には「150万円」という上限が設けられている点に注意してください。
もし大活躍して200万円の賞与を手にしたとしても、保険料が計算されるのは150万円まで。それを超えた部分からは厚生年金保険料が引かれないため、高額な収入を得るチャンスがある方にとっては知っておきたいお得なルールです。

保険料を左右する「標準報酬月額」とは?

厚生年金保険料を計算するにあたり、個人の実際の給与額をそのまま1円単位で使用するわけではありません。ここで登場する最も重要なキーワードが、国が定めた計算用の基準である「標準報酬月額」という仕組みです。
標準報酬月額は、毎月の基本給に、通勤手当や残業代、役職手当などの各種手当をすべて合算した金額をもとに、全32段階の「等級」に当てはめて決定される仮想の月給のことを指します。1等級の8万8,000円から、2026年現在の最高等級である32等級の「65万円」まで、細かく枠が区切られています。

等級の例(抜粋)実際の報酬月額の範囲決定される標準報酬月額個人負担の保険料(9.15%)
第15等級21.0万円 〜 23.0万円未満22万円2万130円
第20等級29.0万円 〜 31.0万円未満30万円2万7,450円
第25等級39.5万円 〜 42.5万円未満41万円3万7,515円
第32等級(上限)63.5万円以上65万円5万9,475円

※最高上限65万円については、2027年9月以降に段階的に75万円まで引き上げられる法改正が決定していますが、2026年度中に関しては一律で65万円が上限となっています。実際の月給が70万円であっても80万円であっても、現在の保険料は上限である65万円の等級(32等級)で一律に計算されます。

毎年秋に変わる!標準報酬月額が決定される「4〜6月のルール」

この標準報酬月額ですが、一体どのようなタイミングで、誰が金額を決定しているのでしょうか。実は、毎年「4月、5月、6月」の3ヶ月間に支給されたすべての給与の平均額をベースにして、その年の9月から翌年8月までの1年間で使用する等級がカチッと決められる仕組みになっています。

これを「定時決定(算定基礎届)」と呼び、社会保険労務士などの専門家や会社の総務部が毎年夏に手続きを行っています。

注意点は、4〜6月に「残業代」が多く含まれると、実際の基本給が変わっていなくても、標準報酬月額の等級がグンと跳ね上がってしまうこと。結果、秋から1年間の厚生年金保険料(控除額)が高くなり、手取り額が大きく減ってしまうことになります。

50代後半の転機!役職定年による給与変動と保険料の下がり方

50代後半を迎え、「役職定年」で管理職から外れ、給与が数十パーセントダウンして落ち込む人もいるでしょう。でも厚生年金の仕組みには、家計の負担を少しだけ和らげる救済措置があるんです。

給与が大幅に下がった場合、秋の定期見直しを待たずとも、下がった月から3ヶ月間の平均を計算し、それまでの等級から「2等級以上」の差が生まれれば4ヶ月目から標準報酬月額を前倒しで引き下げてくれる「随時改定(月変)」が発動します。

これにより、給与の減少に合わせて毎月の厚生年金保険料の天引き額もスッと下がるため、手取りの急激な落ち込みを一定の範囲に抑えることが可能。会社の担当部署が自動で手続きを行うのが一般的ですが、念のため給与明細を確認しておくと安心です。

定年後の働き方に直結!「総報酬月額相当額」と在職老齢年金

50代の方々がこれからのライフプランを練る上で、絶対に避けて通れないもう一つの重要ワードが、「総報酬月額相当額」。これは、定年後も会社員として働き続けながら年金を受け取ろうと考えている方に、深く関係してくる数値です。
この総報酬月額相当額と、受け取る年金の月額の合計があらかじめ決められた基準を超えてしまうと、国から支給される老齢厚生年金の一部、または全額がカットされてしまう「在職老齢年金」という法律の罠が存在します。

総報酬月額相当額の正しい計算方法

言葉の意味だけを聞くと難解そうに思えますが、計算の仕組み自体は非常にシンプルですので、ここでパパッとマスターしてしまいましょう。
総報酬月額相当額は、以下の計算式を使って算出されます。

〈その月の標準報酬月額〉+〈その月以前1年間の標準賞与額の合計〉÷12

つまり、「毎月の計算上の月給」に「ボーナスを12分割して1ヶ月分に直した額」を足し算した「ボーナス込みのリアルな平均月収」を指しています。
この数値が、現在どれくらいの収入を得ているかを測る天秤として使用されることになります。

2026年4月大幅改定!新しくなった「65万円の壁」の実態

働きながら年金をもらうシニア世代を悩ませてきた、在職老齢年金。2026年4月1日から、支給停止の基準額が「月額65万円」へと大幅に引き上げられました
前年度までの基準額51万円に比べ14万円も枠が拡大したため、多くの高齢労働者が年金を減らされることなく、安心して給与を得られる時代が到来しつつあります。

定年後にどれくらいの労働時間で、いくらの給与で働くべきか。それをデザインする上で、この「65万円」という新しい基準線を知っているかどうかは、50代の今行うべきキャリア設計の質を大きく左右するでしょう。
社会保険に加入したままバリバリ稼いでも、年金が満額もらえる可能性が高まったことは、50代にとって最高の追い風と言えます。

50代から始めるべき・やめるべきこと

これからの時間を最大限に活用し、厚生年金の仕組みを賢く味方につけて手取りと将来の安心を最大化するために、私たちが今この瞬間から「始めるべきこと」と「やめるべきこと」をスッキリと整理いたしました。

区分具体的なアクション期待されるプラスの効果
始めるべきこと・「ねんきんネット」ログインと職歴・標準報酬月額の履歴確認
・毎月の給与明細で社会保険料「控除額」の変化を追う習慣づくり
・役職定年後や定年後の再雇用時の給与のシミュレーション
これまでの積み上げが可視化され、リタイア後に向けた正確な収入計画が立てられるようになる
やめるべきこと・「4月〜6月」に無計画な過度の残業を重ねる
・「どうせ年金なんて貰えない」と思い込んで放置
・定年後に「在職老齢年金のカット」を恐れて働く時間を極端に減らす
秋以降の不必要な保険料アップを防ぎ、2026年の新基準(65万円)を活かした攻めの就労戦略を描ける

まとめ

一見するとアルファベットや数字が並んで難解そうに見える厚生年金の法律ですが、その中身を一つずつ丁寧に紐解いていくと、会社が半分を負担してくれる心強い守りのシステムであることがよく分かります。
18.3%という固定された料率の中で日々の手取りを決める「標準報酬月額」や、定年後の働き方を左右する「総報酬月額相当額」の仕組みを正しく知ることが、マネーリテラシーを高める鍵となります。

50代という年齢は、積み上げてきた年金資産をどのように収穫するかという「戦略」を練るための時期。在職老齢年金の基準が65万円へと緩和され、減額を過度に恐れず多様な働き方を選択する自由が広がっています。

未来への漠然とした不安をなだめ、確かな知識を物差しにしながら、ゆとりあるセカンドライフに一歩ずつ近づいてみませんか。

Q&A

本記事のポイント3選

  1. 厚生年金保険料率は18.3%で一律固定されており、会社と本人が半分ずつ出し合う「労使折半(個人負担は9.15%)」の仕組みによって毎月の給与や賞与から控除されています。
  2. 保険料を計算する基準となる「標準報酬月額」は、毎年4月〜6月の支給給与の平均をもとに全32段階の等級で決定され、秋からの1年間の天引き額を大きく左右します。
  3. 2026年4月より在職老齢年金の支給停止基準額が「65万円」に大幅引き上げされたため、定年後も「総報酬月額相当額」を意識しながら高い収入を得やすくなりました。

よくある質問

Q1.4月〜6月に残業をたくさんすると、秋からの厚生年金保険料はどれくらい高くなる?
A1.4月〜6月の平均給与が残業代によって上の等級に上がった場合、標準報酬月額の変動幅に応じて、毎月数千円〜数万円程度、個人負担の天引き額(9.15%分)が増加することになります。

Q250代後半で役職定年になり給与が激減。保険料は自動的にすぐ下がる?
A2.給与が下がってから連続した3ヶ月間の平均がそれまでの等級より2等級以上下がった場合、4ヶ月目から「随時改定」として厚生年金保険料が自動的に引き下げられて手取りが回復します。

Q3.ボーナスから引かれる厚生年金保険料を安く抑える、合法的な裏ワザなどは?
A3.1回あたりの賞与(標準賞与額)には150万円の上限が法律で設けられているため、同月内に支給されるボーナスの総額が150万円を超えた部分については、保険料がかからず一律で免除されます。

Q4.2026年4月に変わった在職老齢年金の「65万円」の計算には、基礎年金の額も含まれる?
A4.いいえ、含まれません。支給停止の判定に使われるのは「老齢厚生年金(2階部分)」の基本月額と「総報酬月額相当額」の合計のみであり、老齢基礎年金はどれだけ稼いでも全額受給可能です。

Q5.定年後に再雇用で働く際、会社の社会保険(厚生年金)に加入しない方が手取りは増える?
A5.加入を外れると目先の9.15%の天引きはなくなりますが、会社の半分負担(労使折半)の恩恵を失うだけでなく、将来受け取れる老齢厚生年金を増やすチャンスを完全に逃すため、長期的に見ると損になるケースがほとんどです。

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