「生前遺影」で最高の一枚を、最期の時に

終活の知恵
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〜はじめに〜

生前撮影で最高の一枚を撮るためのメリットや撮影前の心構え、今時の生前撮影などの情報をまとめています。

「その人らしい」遺影を残すメリット

顔は人生の履歴書と言われます。今の自分を築いて来た人生や経験が、顔や表情に刻まれ表れるのです。たとえ写真でもそれは同じで、もしも暗い表情の遺影なら、満足な人生を送れなかったのではないだろうかと、参列者の心まで暗くしてしまいます。しかし良い表情の遺影なら、悔い無き人生を歩めたのだろうと参列者の寂しさも和らぎ、心から見送ろうとの気分になれます。また、たとえ仲違いしていた人がいても、その表情にわだかまりが浄化された気持ちになれます。

一方で、あらかじめ遺影を用意していなかった場合、後悔するケースが多く聞かれます。そもそも遺影が必要になるのは突然であり、葬儀まで時間がないことも加え、適当な写真を使用しがちです。その写真が大勢で撮ったものや証明写真として撮影したものなら、遺影のサイズまで引き延ばす必要があるので、ややボヤけた印象になってしまいます。直近の写真がないので仕方なく古い写真を用いる場合もあります。

多くの方が集まり、偲ぶ場面。焼香の際に、最も目がいく場所が遺影だとも言われます。親しい方や参列してくれた方々が思わず話しかけたくなるような遺影だと、偲ぶ心も自然と深くなります。

生前撮影の心がまえ

生前撮影は納得のいく一枚を遺影にできることです。しかし気負い過ぎれば堅苦しい写真となり本末転倒です。撮影には肩肘を張らずにのぞむことが一番。長寿や健康を祝う記念撮影くらいに考えましょう。また、生前撮影だからと言って完成した写真を遺影にしか使えないわけではありません。むしろ遺影にも使える上質のポートレート(肖像写真)として捉えた方が自然かもしれません。

自分らしい遺影とは?

自分らしさとは何かを考えた時、一番重要なのは自然体であることです。あまり難しいことを考えず、これまでお世話になった方々へありがとうと感謝を述べるような気持ちでいれば、自然と優しい笑顔が作れます。また、親しんでいる趣味があれば、それを象徴する物と一緒に映ることも「その人らしい」遺影と言えます。たとえば車が趣味の場合はガレージで撮影したり、愛するペットがいれば一緒に映ったりすることも可能です。

自分らしさの見つけ方

自分らしさが見当たらず、趣味も特にない場合には、周りの人に聞いてみるのも手段です。自分が皆にどのような印象を持たれているかを聞く中で、もしかするとそれまで知らなかった自分に気づくかもしれません。

慣れ親しんだ自宅のリビングや庭、よく散歩する公園や印象に残っている旅先で撮影するのもいいでしょう。特に印象に残っている旅先は、いつかもう一度行こうと思っていて結局行けずじまいになることも珍しくありません。生前撮影を兼ねて思い出の地を巡る旅をするのも、ひとつの終活と言えるかもしれませんね。

服装、ポーズの決め方

生前撮影は「自分らしい」遺影写真を作ることです。あえて地味な装いにする必要はありません。お気に入りの服でのぞみましょう。もちろん礼服や紋付でも構いませんが、普段するような服装の方がより好感を得られます。

ポーズも服装と同じく自由に決められます。写真館で撮影する場合は小道具が揃っていることが多いので、たとえばお酒が好きならグラスを手に持ち、花が好きなら装った花瓶を隣に……、などすれば自分らしさのある写真となります。もちろん、小道具は持参でも構いません。また、持ち運べないものであっても、出張撮影サービスがあるので大丈夫です。

イマドキの生前撮影事情

従来は「縁起が悪い」と思われがちだった生前撮影も、現在では多くの写真館がサービスを提供するなど普及しています。もちろん本格的な遺影撮影もありますが、サービスの多くは「良い写真を残す」ことに重点を置いています。つまり遺影を葬儀にのみ使用する写真としてではなく、その後もご遺族の方々と故人を結ぶ大切な想い出として扱っているのです。また生前撮影をされる方も、決して畏まったりせず、家族・夫婦・友人写真のついでに撮るといったことも多いようです。

カラーかモノクロか

従来の遺影と言えばモノクロがほとんどでしたが、近年はカラー写真を用いることも増えています。また、カラー写真であればモノクロへ簡単に修正できるので、撮影の際はぜひカラーで撮りましょう。

一枚に決める必要ナシ?!

もしも満足のいく写真が複数枚できた場合、贅沢な悩みですがそこから一枚に絞ることは難しいものです。デジタルフォトフレームという電子式の額縁を用いれば、その悩みは解消できます。

デジタルフォトフレームとは、デジタル写真を表示するディスプレイで、複数枚の写真をスライドショー形式で再生できます。簡単に言えば、紙芝居のように次々と異なる写真を表示できるのです。

どうしても一枚に絞り切れない時には、デジタルフォトフレームを遺影に使用できないか、葬儀会社の方に尋ねましょう。

価格、時間

生前撮影の費用や撮影の時間、写真完成までの時間は写真館によって様々です。おおむね撮影から仕上がりまでをコースとして料金を定め、その他加工や焼き増しなどのオプションに追加料金が必要となります。撮影終了から受け渡しまでの時間も、1週間から10日程度のところがほとんどです。

ペットの遺影

近年はペットも家族の一員との考え方が広まり、ペットと一緒に入れるお墓も見られるようになりました。葬儀を行なわない場合も遺影を作る方も多くいます。ただ、これも人の場合と同じように、遺影撮影だけを目的ではなく良い写真を残したいとの想いが強くあります。また、加工や修正を施してもらえたり、油絵風、水彩画風などアレンジできることも人気のようです。

おわりに

いつか来るその時を、自分らしく迎えたい。そして気持ち良く見送ってもらいたい。生前撮影はその為にあります。もちろん自分が死ぬ時のことを考えるのは縁起の良いことではないかもしれません。ですが、自分との別れを惜しんでくれる人達へ、死してなお感謝の気持ちを示したいと思うのは当然のことだと言えるでしょう。参列者に笑顔でありがとうと伝える、それが遺影の意味なのです。

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