はじめに
離婚は夫婦で話し合って決める場合もあれば、第三者を介入させて行う場合もある。ここではどのような離婚方法があるかを解説する。
協議離婚の場合、裁判所は関与しない
協議離婚とは離婚の理由を問わず、夫婦の間で合意の上で離婚するのであれば成立する離婚の方法の一つだ。裁判所などは一切関与しないから法廷離婚の原因があるかないかなどを問われることがない離婚だ。
夫婦が合意していれば離婚は自由
離婚は第三者から見てみればそれほど大したことでもないようなことが原因でも、夫婦が合意しているのであれば、離婚は自由だ。法廷離婚原因があるときでも、夫婦で合意しなければ離婚はできない。離婚をする場合に、20歳以下の子供がいるときには父親か母親のどちらかが親権を持つ。どちらに親権を渡すのか考え。離婚届にも子供の親権をどちらが持つのか記入する箇所がある。離婚届にこの子供の親権が書かれていない場合には離婚届は受理されないのできちんと決めておこう。
協議離婚は夫婦の合意だけで成立する
協議離婚は夫婦の合意だけで成立する。離婚の原因などは一切関与されないし裁判所などもかかわらない。離婚届を出すときには離婚後に何か問題が発生したりトラブルにならないようにきちんと双方が話し合いをしたうえで提出するようにする。
金銭の話は特に重要
離婚は結婚よりも強い決意がいることで、双方で話し合うのはかなり難しい場合もなきしもあらず。お互いが気持よく合意できるように納得できるまで話し合いを続ける方がいいだろう。お金についても話し合いをしておこう。
調停離婚は家庭裁判所で話し合う
調停離婚は夫婦のうちのどちらかが離婚をしたくないとときに家庭裁判所に申し立てを行い離婚することだ。例えば離婚に同意しないときや、離婚には同意しているのだが慰謝料について納得がいかない、子供の親権について納得がいかないといった場合など、夫婦に間だけでは離婚の話が進まないときに調停を行う。家庭裁判所に離婚の調停申し立てをして離婚することを調停離婚という。
最終的には夫婦の合意が必要
調停離婚は離婚自体の問題以外にも慰謝料の問題や教育費、子供の親権やこれからのお金のことについてなど、さまざまなことを決める際に二人で話し合いでは解決できないときに解決することができる方法だ。最終的には協議離婚と同じで夫婦が離婚に合意しなければ離婚には至らない。
調停に強制力はない
調停離婚は裁判離婚のように大きな力や強制的に離婚をさせることはない。夫婦の話し合いがうまく進まずに、合意できない場合には便利だ。しかし話し合いがつかないから離婚できなくてもすぐに裁判はできない。離婚は家庭内紛争で一般の民事事件などと比べるとどちらが悪いのか判定するのは難しい。
裁判前のステップとする場合も
原因が単純であればいいのだが複雑なときには法で裁判をして解決するのが一番の方法とはいえない。そのために夫婦の間で話をしてそれでも解決できないときに訴訟ではなくて、まずは調停を行い解決できるかどうか試すことが義務付けられていて、これは調停前置主義といわれている。
離婚の調停申し立ての方法とは
調停は夫婦のどちらかが一人で申し立てることが可能だ。しかし当事者以外の他人が申し立てをすることはできないので注意しよう。申し立てをする場合には全国にある家庭裁判所で手に入る夫婦間事件調停申立書という書類がある。
夫婦間事件調停の申立方法とは
夫婦間事件調停申立書に必要なことを書いて書面で提出するか、口で直接伝える方法もある。家庭裁判所の中にはFAXなどでも受け付けている場合もある。申立書や記入例をFAXで送ってもらうこともできるので事前に確認することをおすすめする。調停申立書の必要書類は夫婦の戸籍謄本が1通必要だ。そして夫婦の間でもしも喧嘩をして暴力などでけがをしている場合などは医師の診断書もいっしょに提出可能だ。
申し立てには費用が必要
申し立てにはいくらくらい費用がかかるのかというと、収入印紙900円分と、そして相手を呼び出す際の通知に必要な切手代が800円かかる。調停は家庭裁判所を相手に呼び出する。相手方の家庭裁判所に申し立てをするのが一般的だ。しかし夫婦が話し合って決めた家庭裁判所でも申し立ては可能だ。
離婚調停申し立てはどちらかが行う
お互い別居で遠いところで生活をしているときには、お互いが行き来しやすい場所で行うことも可能だ。そのときは本来管轄になっている裁判所に管轄の合意所を出さなければいけない。離婚調停申し立ての方法は一人で申し立て可能で当事者のどちらかが行う。離婚の内容や理由は問われないし、調停は一般的に相手の管轄にあたる家庭裁判所で行う。
審判離婚は調停で離婚が成立しない場合
審判離婚とは調停を行っても離婚が成立しなかったときに行われる。調停をすると離婚した方が夫婦のメリットになると考えられるケースでも、夫婦どちらかが同意していない場合には離婚ができないことになっている。
家庭裁判所の権限で審判する
調停が成立しないときでも、夫婦のことを平等に考え離婚した方がいいと判定された場合には、家庭裁判所の権限によって調停ではなく審判をする場合がある。審判が出て離婚が成立する場合の離婚を審判離婚という。審判離婚は家庭裁判所の審判で離婚を成立することになる。
審判の理由はさまざま
審判するにもさまざまなケースがある。例えば夫婦お互いが離婚に合意しているのだが、病気で調停成立のときに行くことができない場合や、離婚に合意できない理由が感情的になっている場合。調停の案に対しては合意が行われているが、一部合意できないために調停が不成立になってしまったときなど。
親権を鑑みて行うこともある
子供の親権などに関して早めに離婚するか判断した方がいいときや離婚に合意してから気持ちが変わったり、どちらかが行方不明になったりしたときなどに、審判離婚は行われる。
審判離婚では離婚の判断以外にも子供の親権をどちらが持つのか決めたり、慰謝料についてや子供の養育費などについても命じられる。
審判の内容に異議がなければ離婚成立
夫婦お互いから2週間以内に審判の内容について異議がない場合には離婚が成立して審判離婚になる。申し立てた人は家庭裁判所に審判確定証明申請書を出すことになる。確定してから10日以内に、離婚届と戸籍謄本、審判書謄本、審判確定証明書を出する。
裁判離婚は最後の手段
裁判離婚は夫婦の間で話し合いをしても、協議離婚に至らなかった場合に、次は家庭裁判所で調停をしたり、審判をしたりする。それでも離婚が成立しない場合には裁判という選択がある。
離婚訴訟を起こして判決で決める
裁判で離婚訴訟を起こして離婚を認める判決をすることで離婚をする。夫婦のどちらが離婚に納得していなくても、裁判での離婚判決が出てしまえば納得させなくても法によって強制的に離婚ができる。
それぞれの主張がぶつかる
調停離婚は調停委員会が円満に解決して話を進めていくことで離婚に向かう。裁判離婚になると法廷で夫婦が自分の主張をいってその主張を裏付けるような証拠などを出したり証人を立てたりしてかなり激しい応酬がなされる可能性もある。裁判官はそれらを見たうえで判決を出する。傍聴なども自由で公開して行われる法廷だから知らない人が見ている前で証言をして夫婦でいがみ合いや主張しあうことになる。
最高裁まで争う場合もある
裁判を起こすにあたっては精神的な負担がかかるだけでなく費用負担も発生する。時間、手間、労力がかかるので容易ではないことを覚悟すべきだろう。それだけお金も時間も手間も労力も掛けたのに、結局は自分の望んでいるとおりの判決が出ないこともある。判決は、1審だけで1年半かかることもあり、最高裁まで行けば3年から5年もかかる。
弁護士に相談するのも方法
離婚をする場合には夫婦で話し合いをしたうえで決める。話し合いに感情が入ってしまって、離婚に進まない人もいる。子供の親権問題や慰謝料の問題など裁判を起こす場合にはより専門的な知識なども必要だから夫婦二人で話し合うには難しいケースも少なくない。
複雑な話し合いになる前に弁護士に相談
そうした場合には解決をするために弁護士を依頼するケースが多いだろう。問題を二人で解決しようとしているうちにどんどん離婚が複雑化し、時間のかかることがよくある。どちらかが暴力を受けていたり、子供の引き渡し申し立てをしたりする場合のほか、お金が絡む場合など、容易に話し合いで決着がつかないケースでは、場合によっては早めに離婚を成立させなければいけない。
弁護士を立てて早めに離婚
そうした場合にはやはり二人だけでは解決できないから弁護士の力が離婚に必要になってくる。普段生活をしていて弁護士と話をする機会などがないから、弁護士にどうやって依頼すればいいのかわからない人も多いだろう。
弁護士の依頼方法とは
- 弁護士の依頼方法は知り合いに依頼する
- 知り合いや友人の知り合いに依頼する
- 都道府県に登録している弁護士会から紹介してもらう
- 地方自治体の法律相談を利用する
離婚に関して弁護士は問題解決以外にも経験を利用してアドバイスをいろいろとしてくれるから心強いだろう。離婚問題専門の弁護士もいますので探してみるといいだろう。