はじめに
本原稿は、これまでオリジナル会葬礼状の作成に携わったライターが、オリジナル会葬礼状を作成する際に大切にしていることや注意点についてまとめています。オリジナル会葬礼状を葬儀会社や代筆者に依頼する前にお読みください。
会葬礼状の作成で大切なこととは
オリジナル会葬礼状は、喪主様、あるいは代筆者が、故人様の人となりや故人様との思い出のエピソードなどの文章を用いて作成した挨拶状のことです。
主にお通夜、お葬儀に参列される方々へお渡しします。
最近では、葬儀後に訃報をお知らせする訃報通知の代わりとしても使用されています。
もともと会葬礼状は、形式的な内容でお名前や日付だけを入れ替えて、同じ文面で作成されていました。
しかし、葬儀後、ご遺族の方の中には、自ら筆をとり、故人様との思い出やお亡くなりになった経緯をしたため、ご友人など身内の方にお配りすることが少なからずあったのです。
大切な方を亡くされた方は、やはりそうしたことで心を落ち着かせたり、訃報が遅れることでの不義理に配慮されていたのでしょう。
何より、そこには故人様への思いがあったはずです。
オリジナル会葬礼状は、故人様の人生の歩みを大切に思う喪主様やご遺族様のメッセージです。そして、そこには故人様の思いが託されます。
オリジナル会葬礼状はシート形式と電話取材のどちらがいいの?
オリジナル会葬礼状の作成方法には、葬儀社が用意した質問シートに内容を記す方法と電話取材でインタビュアーが数分程度、ご遺族の方に直接お電話をして聞いた話をもとに作成する二つの形式があります。それぞれメリット、デメリットがあります。
質問シート形式で作成するオリジナル会葬礼状のメリット、デメリット
質問シートの良いところは、質問項目を読み、じっくりと記入できる点です。お通夜やお葬儀の慌ただしい準備中に電話で取材を受けて答えるのは容易ではありません。
事前に質問項目を聞いていたとしても「インタビューで答えればいい」と、そのままにしてしまい、インタビュー時にあせってしまうことがあります。
質問シートの場合は、書いているうちに思い出がいろいろと脳裏に浮かび、故人様について改めて思いを寄せられます。
また、喪主様だけでなく、お孫さんなど、他のご親族にも聞けるので、エピソードも複数入れることができます。
デメリットは、シートに記入する時間をどれくらい取れるかということ。多くの葬儀では、葬儀の形式や演出、葬送のナレーションなどのお打ち合わせがあります。
葬儀会社のスタッフとの話をベースにすれば話の中で、記入する方法があります。葬儀全般のことと関連づけて記入できるので、そのために時間を割かなくてもいいケースがあります。
質問シートのメリット・デメリッット
質問シートのメリット
- 時間を気にせず記入することができる
- 複数の人と相談しながら掲載内容を決めることができる
- 葬儀全般の進行に合わせて内容を考えられる
- 複数の思い出を書くことができる
- 書いている途中に関連したことを思い出せる
- 喪主以外の方も書ける
質問シートのデメリット
- 人によっては記入時間がとれない
- 気持ちが高ぶっているときに記入できない
- ついついたくさんのことを詰め込もうとしてしまう
電話取材で作成するオリジナル会葬礼状のメリットとデメリット
インタビュー方式の良いところは、インアビュアー(多くはライター)の質問に応じて順に答えていけばいいことです。事前に質問項目などについてもお知らせがあるので、ある程度考えることができます。
また、インタビュー時間に関しても喪主様のご要望にも応えられるので、臨機応変に対応してくれます。
気持ちが高ぶっていても、相手がプロであることがほとんどなので、安心してまかせることができるでしょう。
デメリットは、インタビューが終わってから、不意に思い出すことです。後になってあれもこれもと思い出すのはよくあること。
もちろん、そうした場合でも葬儀会社に記したいことを改めて伝えればオリジナル会葬礼状に反映してくれるケースがあります。
しかし、基本的には数分のインタビューなのでオリジナル会葬礼状に複数のエピソードを入れるのは難しいケースもあります。
オリジナル会葬礼状の準備で注意することは?
オリジナル会葬礼状を葬儀会社に依頼する際にはいくつか注意する点があります。これは質問シート方式、インタビュー方式の両方に共通する点です。
自分で書けると思うならば、ご自身で書くのがやはり一番ベストです。
しかし、現実的には他の準備もあり、難しいといわざるをえません。
葬儀会社の人からの依頼もあるかと思いますが、生年月日や結婚記念日、兄弟姉妹の人数などは、事前に確認しておきたいところです。
また、故人様がご高齢の場合は、喪主様ではなくその子や孫がオリジナル会葬礼状の窓口になることがあります。
その場合は、いくら親しい間柄とはいえ、故人様の過去についてあまり知らないことがあります。
若い方が窓口になる場合は、喪主様やその他のご親族の方に事前にお声がけして、人となりや昔のエピソードをお話になるのがよいでしょう。
エピソードに関しては箇条書きなどで書き留めておくようにします。
ヒアリングシート形式はそのまま記入すればいいのですが、インタビュー形式の場合は、事前のヒアリングシートがない場合は、メモをしておく必要があります。
また、インタビュー形式の場合は、インタビュアーの視点で話題を選ばれることもあるので、入れたい内容をしっかり伝えることが肝心です。
お葬儀の演出にヒアリングシートが使用される
オリジナル会葬礼状は、故人様のことが書かれているので、場合によってはお好きだったお花や歌、お酒などのエピソードが入っている場合があります。
そうした際にお葬儀で、関連する演出がなされていることが少なくありません。お好きな花で祭壇が飾られていて、そのお話がオリジナル会葬礼状に入っていると、参列者の方々により伝わることでしょう。
オリジナル会葬礼状は、葬儀全体のキーになる場合もあるのです。
また、お葬儀では葬儀会社による葬送のナレーションが読み上げられる場合があります。オリジナル会葬礼状を作成していると、それとも関連させることが可能です。
お葬儀後の訃報通知や逝去のお知らせに使えるオリジナル会葬礼状
オリジナル会葬礼状は、少し文面を変えるとお葬儀を執り行ったことをお知らせする訃報通知にも代用できます。
日付などの印方や文言を変更することで、当日、参列できなかった方や家族葬など親族だけで葬儀を執り行う際に使えます。
これは、葬儀会社で別料金となるケースがあるかもしれませんが、ヒアリングシート形式の場合は、もともと会葬礼状と訃報通知を兼ねた礼状を作成する葬儀会社もあります。
昨今は、家族葬の場合、会葬礼状を失念される方もおられますが、家族、親族だからこそ、節目を大切にしないといけない場合があります。
親族だからお礼状なしでいいだろうと安易に考えるのは禁物です。
家族同士でもありがとうの言葉は、普通に使われるはずです。故人様は何も言えないのですから少なくとも、喪主様は、故人様のお立場を考えて行動することが好ましいのではないでしょうか。
また、子々孫々という言葉あるように、時を経て感謝の気持ちを表した家族として、絆もよりつよくなるのではないでしょうか。
家族葬後に使用する訃報通知やお礼状もオリジナルで
家族葬後に逝去をお知らせする訃報通知にもオリジナル会葬礼状は使用できます。定型で用意されている逝去のお知らせを使うのが一般的ですが、やはり文章を故人様に合わせたオリジナル会葬礼状のほうが、心を込めることができます。
受け取られた方もエピソードを読むことで、故人様のことをより深く思い出すのではないでしょうか。家族葬後のお知らせとしてオリジナルな文面をしたためる家族葬後の礼状のことも今後は広がると考えられます。
デジタル会葬礼状【スマート訃報】の登場
会葬礼状は印刷物でお渡しするものがこれまでの常識でした。
アワードでは、新しい形式としてスマート訃報という方法を提案しています。
これはメールを使い慣れた方に重宝される形式です。スマートフォンで見やすいサイズになっているからです。
家族葬など、身内だけで葬儀を行った際に逝去のお知らせに悩む方がおられます。
逝去のお伝えの方法がわからない。案内をハガキにしたので住所の整理や入力に手間がかかってしまうなどです。
また、葬儀の規模を小さくしたために、葬儀後の問い合わせや弔問が多くなり、もともと省力のために家族葬にしたのに逆に手間を感じてしまう。
長期間に渡って弔問者が続くため休日がとりにくいケースもあります。
そうしたことを軽減するためにメールやSNSを通じて訃報をお知らせするのがスマート訃報です。
まとめ
本原稿では、オリジナル礼状を作成する際の注意点として、ご当家の立場でヒアリングシートの記入方法やインタビュー形式のメリット、デメリットについて記しました。
また、家族葬後の訃報通知や逝去のお知らせ方法にオリジナル礼状の使い方についても説明しています。
「オリジナル会葬礼状」や「家族葬後のお礼状」の作成に関して、ご関心、ご興味のある方は株式会社アワードへお問い合わせください。