〜はじめに〜
昨今は、葬儀社や関連サービス会社が葬儀のCMを盛んに流し、都心部に限らず、あちこちに葬儀用の会館が新設されています。僧侶派遣サービスやWebでは葬儀会社の比較サイトも見られます。
こうした環境では、葬儀は、どうしても葬儀会社を選ぶことが前提となってしまいます。時間がなく、ノウハウもなければ仕方がないかもしれません。
でも、大切なのは、どんな葬儀をすれば、故人、遺族の方にとって意味のある葬儀になるのかということです。
慌ただしい中で葬儀を済ませ、その時は、特に気になることがなくても、後々に悔やむ場合もあります。そうしたことにならないような葬儀の考え方、葬儀会社の選び方を紹介します。
ビジネスライクに葬儀会社を選びたいなら複数の見積もりを
葬儀会社の同時見積もりは、恥ずかしい行為ではありません。慌ただしい中、複数の葬儀会社と打ち合わせするのは、難しいとお考えかもしれませんが、少なくとも3社から話を聞けば、およその内容や金額が把握できます。
また、3社以上から話を聞けば、理性的に考える時間を持つこともできます。最初の打ち合わせを30分程度と決めれば、必要以上に時間をかけることもありません。
また、葬儀会社を3社ずつ同時に呼び、それを2回すれば6社の話を聞くことができます。慌ただしい当日にするより事前に葬儀を考え、一括で見積もりをとるのも方法です。
葬儀の見積もりで明確にすべきポイント
葬儀費用は、主に葬儀基本費用、車両費用、火葬関係費用、斎場費用、返礼品費用、飲食費用、お布施です。しかし、葬儀会社のいう葬儀費用とは基本費用だけの場合が多く見られます。
広告で葬儀40万円〜とあれば、だれしも40万円で抑えたいと思いますが、葬儀会社にしてみれば、そこが最低ラインと考えているかもしれません。
人との交渉が慣れていないと、十分な話ができずに、追加費用がかさむことも考えられます。
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必要なサービスを追加にしているケースがある
葬儀で予想以上の費用がかかるのは、パッケージといっても、やはり、葬儀ごとに違いがあるからです。
供花、生花装飾、式場内外設備、会館使用料、棺、料理・飲み物、礼状・返礼品、遺影写真、エンバーミング・湯灌など、葬儀によって異なる部分は、多岐に渡ります。
最初にそうした話をせずに、進行ごとに「あれをしませんか、これをしませんか」と積み上げられると想定以上に費用がかかります。
面倒だと感じるかもしれませんが、これらの項目をしっかり把握することと、それらについてきちんと説明してくれる葬儀会社は良心的だと言えるでしょう。
可能であれば、事前相談をしておきたい
葬儀会社といっても規模や対応力はさまざまです。自前の会館を持っている会社もあれば、市民会館などを利用する会社もあります。最近では家族葬専用のホールも増えています。
急な葬儀でそれらを複数みることはできないので、やはり事前に見学することがおすすめ。安置室や調度品、休憩室、バリアフリー、ロケーション、駐車場など見るべきところはいくつもあります。
何より葬儀会社の対応を知ることができます。
葬儀会社を選ぶポイントとは?
実際に葬儀会社を選ぶ際には以下がチェックポイントになります。
対応力と説明力
丁寧な応対、明朗な価格設定、理解しやすい説明、希望に応じた葬儀プランを提示してくれる葬儀社
セットとオプション
基本セットとオプションをしっかり区別している葬儀会社
複数の選択肢
「その予算では、これですね」などと決めつける会社ではなく、予算や規模に関わらず複数の選択肢を提示してくれる葬儀会社
評価できる基準がある
葬祭ディレクターやISOの取得など、客観的な評価基準を設けている葬儀会社は信用性は高いと言えます。しかし、個人規模の葬儀会社でもしっかりしているところもあります。
契約を急がせない
とにかく契約をとることを優先するビジネスライクな葬儀会社も存在します。そうした会社を選ぶと、ときには追加費用が多大に発生することがあるので注意が必要です。
葬儀の支払期日
葬儀費用の支払いについて、相談できる会社がベスト。とは言え、昨今では、葬儀費用の支払いは葬儀から1週間程度が目安になっています。
葬儀を行う場所
葬儀は、葬儀社所有の葬祭ホール、民営の貸斎場、公営斎場、寺院、自宅などがあります。使用料に違いがあるので、その点を柔軟に対応してくれる葬儀社が良心的です。
葬儀は見送りの儀式
人生には、節目がいくつかあります。誕生、成人、入社など、大きな節目もあれば、誕生日、記念日など毎年のように迎えるものもあります。
節目がしっかりしている樹木が強い風に強いように、人も節目がしっかりしていると大変なことが起こっても耐える力を持つことができます。人の節目は、いわば、人との関わりです。
その意識を強くすると迷いが少なくなるのです。家族のために頑張ろう、好きな人のために頑張ろうという、一人では湧き上がってこない力が出てきます。
そうした意識は、儀式を通じて心に刻まれます。例えば、神社仏閣へ定期的にお参りするのは、神頼みで他の力をあてにするからではありません。
自分自身への約束事を強く念じることで、それが自然と行動に表れるからです。
葬儀も亡くなった方を弔い、悼みをともに分かつことにより、絆を改めて感じたり、自分の人生を振り返ることができる大切な儀式のひとつです。そうした本質を理解することが何より大切なのです。
裕福な家で行われる立派な葬儀を目にすることがありますが、裕福だから立派な葬儀が行われるのではなく、そうした思いを持っているから裕福になれるのです。
葬儀も実のところ形式にこだわるのではなく、本質的に大切なことを考え、行うことが必要なのではないでしょうか。
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