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繰上げ法要 式中四十九日法要は誰のため?

葬儀
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はじめに

本記事では繰上げ法要についての考え方をまとめた。初七日や年忌法要などで繰上げ法要が増えているが、式中四十九日法要を提案する葬儀会社が出てきている。いったい誰のための葬儀になっているのかもう一度よく考えたい。

葬儀に宗教儀式は必要なのか?

日本人の多くの方が無宗教であることが終活アンケートデータでわかった。しかし、葬儀は仏式が主流で戒名まで授かるのがほとんどである。無宗教であると普段は思いながらも折々に宗教儀式を取り入れていることを考えると、やはり多くは形式化しているのが本当のところであろう。

初七日繰上げ法要とは

最近では葬儀をとりおこなった日に初七日法要を行うことがある。これには二つあって葬儀の式に引き続いて行う、式中初七日と火葬してから行う繰上げ初七日である。この起源は定かではないが、地域によっても是非が異なる。もともと年忌法要の繰上げ法要がよしとされることにはじまったのではないかと推測される。

先祖代々の年忌法要を正式に行うと、それこそ毎年のように法要を行うことになることから、年忌法要を前倒しに行うのはよしとされたたのだろう。繰上げ法要に関しては、前倒しにするのはいいが、正式の法要年より後にするのはいけないとされる。

繰上げ法要のお布施やお香典はどうすればいい?

私たちが困るのは、繰上げ法要に関する参加とお布施や供物である。一般的には親族でなければ、葬儀に参加するだけで繰上げ法要には参加しない。お香典だけでいいだろう。しかし、お布施に関しては悩むところだ。繰上げ法要が先に決まっていることを知っていれば、人によっては、本葬、初七日、四十九日分を用意するし、ひとつにまとめてしまうこともあるだろう。このあたりに正式な決まりはない。

宗教によっては明確に決めている場合もあるだろうが、強制ではないので、ひとそれぞれの考え方によればよい。

お香典とお布施の違いは?

お香典とは、葬儀にかかる費用の相互扶助であるから、それを受け取るのは喪主ということになる。一方お布施は仏に捧げる修行のひとつであるから、仏教徒であれば進んですべき行為と考えられるであろう。

式中四十九日が営まれるのはネット会社の発案?

式中初七日、繰上げ初七日がいつの頃からか行われるようになり、新型コロナの影響か突如として2020年に四十九日の繰上げ法要が言われるようになった。潜在ニーズとして法要を面倒なものと考える人が増えたことや菩提寺のない家が増えたことも一因としてはあるだろう。

知人の僧侶からは、2021年にあるネット関連の企業が「式中四十九日のサービス」を行うように葬儀会社へ訪問営業をスタートさせる話を聞いた。

葬儀が大きなビジネスになっていることは承知しているし、人々が求める形に葬儀が変化するのは当然だろう。しかし、仏教を宗教として真面目にとりくんでいる人もいる。そうした人々にとって、やはり正式な方法は必要なものであり、形が功徳になる。

繰上げ法要を行うのは、それぞれの喪主や家の判断である。葬儀会社が繰上げ法要のサービスをはじめても、するしないは、各自の判断でよいだろう。

しかし、僧侶という立場ではどうだろうか。華道や茶道の家元でそうした形式無視を認めると大きな混乱になるだろうし、時を待たずして、その道は消滅、あるいは全く違うものになるに違いない。それは宗教家にとっても同じではないだろうか。

急激な変化によって生まれる新たな形

日本人が仏式の葬儀を取り入れるようになったり、僧侶が肉食、妻帯を許されたのは、時の権力者の影響が大きい。それを考えると、葬儀の形式に関しては正当性も揺らぐ。特に新型コロナを境とした時代の大きな波は、葬儀の形を変化させるもの当然と言えるかもしれない。

火葬後式があってもいい

どのようなものでもいつかは終わり、また形は変化する。葬儀もそのひとつであれば、なにも仏式にこだわる必要はなく、それぞれの人において、自由な形で葬儀を行えばよいのではあるまいか。今の葬儀が慌ただしいから式中四十九日を行うくらいなら、いっそのこと火葬後式を行えばよいのではないだろうか。

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