国民年金基金とは、国民年金(基礎年金)に上乗せして加入できる年金制度のことです。厚生年金に加入できる会社員などの給与所得者と、国民年金にしか加入していない自営業者などの差を解消するために、公的な年金制度として1991年(平成3年)新たに創設されました。
国民年金基金は、20歳以上60歳未満の国民年金の第1号被保険者が対象です。厚生年金や共済組合に加入している人やその扶養家族、国民年金を免除(一部免除、学生納付特例、若年者納付猶予を含む)している人は加入できません。また、国民年金保険料を納付していない人も対象外です。仮に国民年金基金の保険料のみ納付し、国民年金保険料を滞納した場合、その期間に対する国民年金基金の給付は受けられず、納めた掛け金はそのまま返金される仕組みになっています。
国民年金基金は加入や口数数によって、終身年金A型・B型、確定年金Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型・Ⅳ型・Ⅴ型の7種類あります。どの種類の年金でも加入は任意ですが、加入後は個人的な都合による脱退ならびに他の国民年金基金への移行もできません。ただし会社員になる、被扶養配偶者になるなどして加入資格を失えば脱退となります。その場合、脱退までに納付した掛け金に応じた給付が、65歳(Ⅲ型は60歳)到達以後に支払われます。一般の個人年金のような脱退時の解約払戻金などの一時金支給は行われません。
国民年金基金の年金給付は通常65歳から始まりますが、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型は60歳から開始します。開始年齢に達すると、基金から年金請求に関する案内が届きます。この書類に必要事項を記入し、提出し、決定を経て年金給付が始まります。年金額が12万円以上の場合、支払いは年6回、12万円未満の場合、年1回、指定した口座に振り込まれます。